よわいめ|ヨワイメ

同時代カルチャーをレビューするブログ

掲載情報(2019年5月)

「アートコレクターズ」2019年5月号にレビュー寄稿しました。

TPAMで開催された「ポスト資本主義オークション」についてです。

タイトル「半透明さを招き入れること」  

はじめに評者自身は本オークションを会場ではなく生中継(DOMMUNE)で視聴していたことを断っておきたい。以下の論評はあくまでも一視聴者による観測である。 

 バンクシーの「シュレッダー事件」が象徴するように、資本主義批判のアイロニーこそ模範的な資本主義的態度であるという認識はもはや自明のものとなっている。というより、アイロニーか否かの判定がつかなくなる次元に私たちの時代は突入してしまっている。とすると、その名からしてアート・マーケットを駆動する資本主義への痛烈な批判を予見させる、ポスト資本主義オークション(以下、PCA)もまた同じ穴の狢なのであろうか?結論から言えば、PCAの批判は資本主義ではなく、それを前提とする「オークションの形式」にこそ向けられていた....」

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