いきなり本題に入る。というのも実際の展示がそうなっているからである。胎内を思わせる龍村景一の暗室とよひえの個室トイレにおいて、私たちは二度、誕生する。初めに黒いカーテンをめくり入る暗室。裸の男が海へと飛び込む瞬間を何度もループし複数化する…
横尾忠則は死を擬態する。横尾芸術を貫く、本来一回的な死の遅延作業は彼がまだ幼い頃、養子先の年老いた母に負ぶわれて、一命を取り留めた台風による洪水経験に由来している。それは彼の芸術的生そのものを規定しつづける、根源的な死を偽装し、シミュレー…
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