よわいめ|ヨワイメ

同時代カルチャーをレビューするブログ

11月2日のいろいろ。

さて、今日の日記を書こうと思ったら、もう26時になろうとしている。奨学金の応募書類の文面を修正していたら、時間が瞬く間にすぎていく。でも、まあ、それで今後の研究の方向性は具体的になってくるので、選考に落ちたとしても、必ずしも無駄にはならないところが、なんでも応募することの良さですね。とかいって、ほとんど応募したことがないので、説得力は皆無なのだけど。。

今日は、ベン・ニコルソンのホワイト・レリーフシリーズや後半期の作品の形成を考える上では欠かせないセントアイブスというイギリスの最西部にある村について少し調べた。ここは1920年代から2次大戦までは前衛作家たちの集まるインターナショナルな芸術家コロニーがあった場所で、ニコルソンの他にもバーバラ・ヘップワースやクリストファー・ウッド、ナウム・ガボなどが住んでいていまではセントアイブスアーティストなんて呼称があるぐらい、固有の文化圏が存在していた場所だ。モンドリアンがいたことも忘れてはいけない。あのTATEのギャラリーやTATE管轄のヘップワース美術館、そしてTATE出版の作家紹介の書籍シリーズがあって、おそらくここ20年ぐらいで芸術家村としての注目度がグッと上がっているのがセントアイブスと言えるだろう。

実は、日本ともゆかりがある。ご存知の方はお分かりかと思うが、日本で陶芸の修業を積んだあのバーナード・リーチ1920年濱田庄司を連れだって訪れ、はじめて築窯した場所がセントアイブスなのである。彼が苦労して築いた連房式登窯は、その後イギリスの弟子筋によって引き継がれていく。ニコルソンにおける「抽象」と芸術家村研究の蓄積をリンクさせられるといい。というわけで、今日は鈴木禎宏氏の博士論文を基にした『バーナード・リーチの生涯と芸術』などを読み、モダニズム、抽象、民藝に触発された画家、彫刻家、陶芸家が集った村セントアイブスについての初歩的な知識を得た。それがまわりまわって、モランディに返ってくると思っている。

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日記なのに、今日の起きた出来事ではなくて、今日得た知識の紹介になっている。日記とはなんであろうか。というメタ的な記述は断固としない。

そう、今日はラグビーワールドカップの決勝だ。イングランドvs南アフリカ。どこかでラグビーファンにはフーリガンと呼ばれる迷惑者がいないという話を聞いたけど、その律儀さは選手のプレーを見ていてもよく伝わってくる。これは紳士のスポーツだ。間違っても、サッカーのような資本主義みたいに欲望むき出しのスポーツではない。ラグビーには人間の理性の美を、サッカーには欲望の美を見る。(もちろん、だから僕はサッカーの方が好きだし、やっていたのだけど。)結果は、南アフリカが3大会ぶりの優勝を手にした。そこで、驚いたというのか感銘を受けたのは、試合後の南アのキャプテン、シヤ・コリシ選手のインタビューだ。文字通りの意味で、「立派」として言いようがない。南アにおけるラグビーの歴史を背負って、黒人初のキャプテンとして出場するということは、本当の意味で「政治家」になることなんだなと思った。オリンピックを控えた某国ではスポーツの政治利用が批判されたりしているけど、スポーツは政治でもあることを正しい意味で、あのキャプテンはあの大舞台で示していた。なんて、ラグビーは理性的なんだ。サッカーは?

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https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191103/k10012162541000.html

夕飯は大量の焼きそばを食べた。