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2016年映画ベスト5

2016年も早いもので、残り一週間ほどになってしまったので、このあたりで、今年の映画ベスト5をまとめてみる。ちなみに今年劇場で観た映画は以下の通り。

一月
ブリッジオブスパイ
ザ・ウォーク
サウルの息子
ブラックスキャンダル
ロイヤル・コンセルトヘボウ
二月
オデッセイ
スティーブジョブズ
三月
マネーショート
家族はつらいよ
四月
スポットライト
レヴェナント
アイアムアヒーロー
ズートピア
五月
64前編
海よりまだ深く
六月
植物図鑑
帰ってきたヒトラー
七月
シンゴジラ
君の名は
聲の形
八月

九月
怒り
レッドタートル
ハドソン川の奇跡

十月
インフェルノ
十一月
溺れるナイフ
この世界の片隅に×3
聖の青春
ミュージアム 

古都

ヒッチコックトリュフォー 

僕のベスト5は一般的な評価とあまり変わらないので、面白みにやや欠けるかもしれないが、個人的的には9.11に関する映画2本が、いみじくもドナルド・トランプ大勝利と同じ年に公開されたことには何か意味深いものを感じてしまう。テロリズム、シリア爆撃。アメリカ自身はアメリカにとっての悪夢をいかに乗り越えることができるのか、あるいはできないのか。それはアメリカという一枚岩の前提すら瓦解したいま、限りなく、不可能になってしまった。しかし、絶望の時代にこそ、映画は輝き、その本来の機能を取り戻し、作動し始めるはずである。そんな絶望に耐えうる2本を含めたベスト5を発表していきたい。

 

では、まず第5位から順に発表していきます。理由は至極簡単にだけ書いておきます。

 

第5位「シンゴジラ

ゴジラという歴史的シリーズの刷新を図ろうとした意欲作であり、「君の名は」と並ぶ今年を代表する作品。作家の欲望が露骨に演出・映像に表れている点を評価したい。(会話劇、テロップ、自衛隊

 

第4位「怒り」

シンゴジラ同様に作家の歪さが溢れ出ている点を評価したい。(沖縄問題)また豪華役者陣が遺憾なくその能力を発揮し、怪演といえる域に達していることも大いに加点の対象である。

 

第3位「ザ・ウォーク

3D・IMAX時代の傑作であるだけでなく、アメリカにとってのあの日を乗り越えるための一作。ただし「ハドソン川の奇跡」とは対照的に、乗り越える主体はアメリカの外部(パリ)に置かれている。それは自由の女神の歴史とも共鳴する設定であり、事実でもある。

 

第2位「ハドソン川の奇跡

今度はアメリカ人自身が、あの日の悪夢を乗り越えるための作品。それは過度なナショナリズムであろうか。いや、事実を基に淡々と物語は構成されている。あるパイロットの威信と誇りによってアメリカ再生?であり、ありえたかもしれないアメリカ像を印象付けることに成功している。その作りに隙は見当たらない。

 

栄えある第1位「この世界の片隅に

言わずもがな。片隅の二重性や伏線の応酬という物語的な上部構造もさることながら、もっと本質的にアニメーションという下部構造の特質を明瞭に示している点に驚愕する。アニメーションとは何か。実写とアニメーションの決定的差異をあぶり出す、まさにアニメーションの発明であり、真打の登場である。

 

投稿後、リップヴァンヴィンクルの花嫁を観て、ハドソン川の奇跡と同率二位としたい。