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「笑う」ための生命論 <セカオワ論②>

笑い 坂口安吾 生命 敗戦 日本人

敗戦直後、日本人は一番笑った。

何も無くなって見通しの良くなった目の前の景色と、空っぽになった胃袋。全てが空になった時に、人は空虚の底から、その全体を震わせるように、からからと笑う。敗戦後の日本には響き渡るだけの空白がどこもかしこにあるのだから、それはそれは、日本人はよく笑った。空白を満たすために、人は笑った。
何もないところから、宇宙が生まれ、生命が生まれる。

何もないところを僅かに微動させることで、小さな粒が生成され、いつしか大爆発を起こし、秩序と無秩序を同時に生み出した。生命の源はなにか。私たちの源はどのような動因であるのか。それは空虚から絶えず粒子を生み出し続ける、微動、震えである。

宇宙性や人間性の最も底辺にのみ、宿っている、震えを生み出す力は、あの「笑い」にも宿る、何かを生み出そうとする力であり、生命生成の源であるはずだ。

 

堕落論

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